
世界的にEV化が進み、バイク業界でも電動バイクが続々と登場しています。
しかし、資産価値という視点で考えると「電動バイク」と「ガソリンバイク」のどちらを選ぶべきか迷うライダーも多いはず。
「将来手放すとき、高く売れるのはどっち?」
「EV化が進んでも残る1台とは?」
数年後、あなたが手放すときに価値が残るのはどちらなのか――。
本記事では、バイクを“乗り物”ではなく“資産”として捉え、EV化時代における賢い選択を徹底解説します。
記事でわかること
- EV化が進む背景とバイク市場への影響
- 電動バイクとガソリンバイク、それぞれのメリット・デメリット
- 将来の資産価値が高いバイクの特徴と条件
- EV化後でも値下がりしにくい“残る1台”の選び方
- 資産価値を守るための保管・管理・売却タイミングのコツ
電動バイクとガソリンバイクの違い
バイク業界は今、大きな転換期を迎えています。
これまで主流だったガソリンバイクに加え、世界的なEV化の流れによって電動バイクが次々と登場。
両者は同じ「バイク」でも、仕組みや乗り味、維持費、そして将来性に大きな違いがあります。ここでは、それぞれの特徴を整理していきましょう。
EV化が進む背景と現状
世界各国では、カーボンニュートラルの実現に向けてガソリン車の新車販売を段階的に禁止する政策が進んでいます。
ヨーロッパでは2035年までにガソリン車の販売が終了する見込みで、日本でも2030年代半ばを目標に電動化が加速。
これに伴い、バイクメーカー各社もEVモデルの開発に力を入れており、電動バイク市場は年々拡大しています。
しかし、日本では充電インフラや航続距離の問題がまだ解決されておらず、ガソリンバイクと電動バイクがしばらく共存する状態が続くでしょう。
電動バイクの特徴
電動バイクは、バッテリーに蓄えた電気をモーターで動力に変換する仕組みです。
エンジンがないため、振動や騒音が少なく、加速も非常にスムーズ。日常の移動手段としては非常に快適です。
メリット
- ガソリン代が不要で、電気代のみで経済的
- エンジンオイル交換などの整備コストが低い
- 静音性が高く、住宅街でも気兼ねなく乗れる
- 瞬発的なトルクでスムーズな加速
デメリット
- 航続距離が短く、長距離ツーリングには不安
- 充電時間が長く、ガソリン給油のような即時性がない
- バッテリーの寿命と交換コストが高い
- モデルの進化が早く、旧型が陳腐化しやすい
ガソリンバイクの特徴
ガソリンバイクは、エンジンの燃焼によって動力を生み出します。
長い歴史の中で培われた技術やデザインは、ライダーに「走る喜び」と「所有する満足感」を提供し続けています。
メリット
- 航続距離が長く、給油も数分で完了する
- 高出力でスポーツ走行や長距離ツーリングに強い
- 整備やカスタムの自由度が高い
- 歴史的な名車が多く、コレクション価値がある
デメリット
- ガソリン代やオイル代など維持費が高め
- 定期的なメンテナンスが必要
- 環境規制が厳しくなり、新車販売が減少傾向にある
選択の分かれ道
日常的な移動や近距離の街乗りなら電動バイクは非常に快適ですが、ツーリングや走りを楽しむならガソリンバイクが優位です。
さらに資産価値という観点で見ると、電動バイクは技術進化が早く中古価値が下がりやすい一方、ガソリンバイクは絶版化や規制強化によって希少性が高まり、むしろ値上がりする可能性があります。
今後は「走るための1台」と「資産としての1台」を分けて考えることが、バイク選びの重要なポイントとなるでしょう。
資産価値で比較する「電動 vs ガソリン」
EV化の波は止まらず、バイク市場でも電動モデルが次々と登場しています。
しかし「資産価値」という観点で見ると、電動バイクとガソリンバイクには大きな違いがあります。
ここでは、将来のリセールバリューを左右するポイントを詳しく見ていきましょう。
ガソリンバイクは“旧車化”で価値上昇の可能性
ガソリンバイクは今後、新車の販売規制が進むことで希少性が増していきます。
特に以下の条件を満たすモデルは、時間とともに価値が上昇する可能性が高いです。
- 生産終了や限定販売などで流通量が少ない
- 歴史的背景やストーリー性を持つ
- Harley-Davidson、Triumph、MVアグスタなどのプレミアムブランド
例として、Harley-Davidsonの「CVOシリーズ」やHondaの「CB750」「RCシリーズ」などは、すでに中古市場で価格が高騰しています。
ガソリンバイクは、単なる乗り物から“コレクション資産”へと進化しているのです。
電動バイクは「初期投資型」で価値が不安定
電動バイクは環境性能やコスト面で優れていますが、資産価値という面では課題が多いのが現状です。
- 技術革新が早く、旧モデルがすぐ陳腐化する
- バッテリー寿命が短く、中古での評価が低い
- 充電インフラが未整備で普及が限定的
ただし、初期のフラッグシップモデルや高級ブランドが手がける電動バイクは、将来的に「EV黎明期を象徴する一台」としてプレミア化する可能性があります。
これはガソリン車でいう“初代モデル”の価値に近いイメージです。
結論:ガソリンは“長期投資”、電動は“短期消費”
- ガソリンバイクは、規制強化で生産終了が進むほど希少価値が高まり、長期的に資産価値が期待できる。
- 電動バイクは、最新技術を享受できる一方でリセールバリューは不安定。
価値を求めるなら、限定モデルや高級ブランドに絞るべきです。
EV化時代においては、
「ガソリン=資産」「電動=消費」
という二極化が進むと考えられます。
EV化時代に“残る1台”とは
世界的にEV化が進む中、ガソリンバイクの立ち位置はますます特別なものになっていきます。
やがて電動バイクが主流となる未来においても、価値を失わずに残るバイクには共通した条件があります。
ここでは、将来も高い資産価値を保つ可能性がある“残る1台”を見極めるポイントを解説します。
限定生産モデル
台数が限られているモデルは、供給が少ない分、中古市場で価値が高騰しやすい傾向があります。
特にナンバリング付きや記念限定モデルはコレクター需要が強く、将来的な価格上昇が期待できます。
例:
- Harley-Davidson CVOシリーズ
- MVアグスタ 限定カラーエディション
- Triumph 限定生産モデル
高級ブランドのフラッグシップモデル
Harley-DavidsonやTriumphなどの高級ブランドは、もはや「乗り物」というより文化的なステータスシンボルです。
こうしたブランドのフラッグシップモデルは、電動化が進んでもガソリン文化の象徴として残り続ける可能性があります。
例:
- Triumph ロケットIII
- Harley-Davidson ウルトラリミテッド
- Ducati パニガーレV4
歴史的背景を持つモデル
バイクの歴史に名を刻んだモデルは、時間が経つほどその希少価値が増していきます。
これはクラシックカー市場と同じ現象で、「物語性」が価格を押し上げる最大の要素です。
例:
- Honda RCシリーズ(レーシング伝説モデル)
- Kawasaki Z1(カワサキの名車)
- Yamaha SR400(長い歴史を持つクラシックバイク)
EV化後でも価値が上がる“残る1台”とは
これらの条件を満たすバイクは、ガソリンが規制される未来でも「最後のガソリン文化を象徴する資産」として生き残ります。
今後、電動バイクが普及すればするほど、こうしたバイクは希少性が増し、まるでアート作品のように価値が高騰するでしょう。
資産としてバイクを持ちたいライダーは、今からこうしたモデルを見極めて手に入れることが、将来への最大の投資になります。
資産価値を守るために今できること
将来的に高いリセールバリューを維持するためには、バイクの価値を“育てる”意識が欠かせません。
ここでは、バイクを資産として長く保有するための具体的なポイントを紹介します。
ガレージ保管で価値を守る
資産性を重視するなら、保管環境が最も重要です。
- 屋内ガレージ保管が理想
- 屋外の場合は、厚手のバイクカバー+防犯ロックは必須
- 湿気対策として除湿機や乾燥剤を活用
外装や塗装は時間とともに劣化するため、保管環境が悪いと価値が大きく下がってしまいます。
メンテナンス記録を残す
整備履歴は「資産価値を証明する書類」になります。
- 定期点検やパーツ交換のレシートを必ず保管
- スマホアプリやノートでメンテナンス記録を管理
- オイル交換やタイヤ交換の時期も記録しておく
中古市場では、メンテナンス履歴が整っているバイクは数十万円単位で査定額が変わることもあります。
定期的な査定で価値を把握
価値が上がり始めるタイミングを逃さないために、年に1回は無料査定を受けましょう。
- 現在の相場を把握できる
- 価格がピークに達したら売却を検討
- 複数の業者で比較することで適正価格がわかる
特に希少車や限定モデルは、海外市場で価値が跳ね上がることがあり、早めの動きが重要です。
売却タイミングを見極める
資産としてのバイクは、「手放す時期」が利益を左右する最大のポイントです。
- 人気車種が絶版になる直前
- 海外市場で価格が急騰しているとき
- 新型モデル発表直後(旧型の価値が一時的に上がる場合あり)
需要と供給のバランスを見極めて売却することで、最高値でのリターンを得られます。
まとめ
バイクはただ乗るだけでなく、「守る」「育てる」ことで資産価値が大きく変わります。
EV化が進むこれからの時代だからこそ、ガソリンバイクの希少性はさらに際立っていくでしょう。
日々の管理と適切な判断が、未来の価値をつくる鍵となります。
総括
世界的なEV化が進む中で、電動バイクとガソリンバイクは「共存」から「分岐」の時代へと移行しています。
電動バイクは日常の移動手段として進化を続けますが、資産価値という視点ではガソリンバイクが今後ますます特別な存在になるでしょう。
特に以下の条件を満たすバイクは、EV化後も価値を失わず“残る1台”となる可能性が高いです。
- 限定生産モデル
- 高級ブランドのフラッグシップ
- 歴史的背景を持つ名車
一方で、電動バイクはテクノロジーが進化するたびに旧型が陳腐化するリスクがあり、現状では資産価値を維持しにくい傾向があります。
つまり、「乗るための1台」と「資産としての1台」を分けて考えることが、これからのバイクライフの新常識です。
未来の選択を後悔しないためにも、今から“残る1台”を見極めて、あなたの人生と共に価値を育てていきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 電動バイクとガソリンバイク、将来的にどちらが高く売れますか?
A. 短期的にはガソリンバイクが有利です。特に絶版モデルや限定生産車はEV化が進むほど希少性が高まり、価格が上がる傾向にあります。電動バイクは技術革新が早いため、初期モデルは価値が下がりやすい点に注意が必要です。
Q2. 資産価値を高めるために、どんな保管方法が最適ですか?
A. ガレージ保管が理想です。屋外の場合は防水性の高いバイクカバーと防犯ロックを併用しましょう。湿気対策として除湿機や乾燥剤を使うと、サビや劣化を防げます。
Q3. EV化が進んだら、ガソリンバイクに乗れなくなるのですか?
A. 現時点ではガソリンバイクの使用自体は制限されません。ただし、排ガス規制や燃料価格の高騰、部品供給の減少により、維持コストが上がる可能性があります。今のうちからメンテナンスパーツを確保しておくと安心です。
Q4. 電動バイクは資産としてまったく価値がないのでしょうか?
A. すべてが無価値というわけではありません。高級ブランドが手がける初期のフラッグシップモデルや限定生産車は、将来的に“EV黎明期を象徴する一台”としてプレミア化する可能性があります。
Q5. バイクを売るタイミングはどう判断すればいいですか?
A. 価値が最も高まるのは「絶版直前」や「海外市場での需要が急増しているとき」です。定期的に無料査定を受けて相場を確認し、価格が上昇しているタイミングで売却を検討しましょう。

